三十歳の誕生日 素直に喜べない焦りの年代

とうとう私も三十代に突入してしまった。病気の症状が出たのが中学一年であったからもうすぐ病歴も十七年になる。地獄みたいな人生だったが、よくまあここまで生き延びたものだ。素直に誕生日を喜ぼう。

三十代といえば世間ではアラサーなどと呼ばれ何かと話題になっているようだが、私には関係のない話だ。精神障害者である私には、結婚という選択肢が始めから与えられていない。誰が好き好んで精神病の人と結婚するだろうか。配偶者が後から精神病になるパターンはあるだろうが、その逆は聞かない。私のところにお嫁に来るなんぞ不幸の研究でもしに来るようなものだ。

だから世間で婚活に勤しんでいる人達などを大変うらやましく思う。

それと三十代といえば働き盛りの年齢だ。世間では就活がどうのこうのと言われているが、私から言わせてみればまずスタートラインに立ててることがうらやましい。私はスタートラインにすら立てていない。私の今年の目標は『生活習慣の安定』である。これは医者からのアドバイスだ。あまりにも同年代の人たちとはかけ離れている低レベルな目標であろう。今の私はとても働ける状態にはないのだ。

仮に働ける状態になったとしても、私の場合障がい者採用になるだろう。手帳も年金ももらっているので隠しようがないからだ。当然好きな仕事なんてできない。これも私には選択肢が最初から与えられていないことの一つだ。

そもそも病気が良くなってきたとしても、私には働く前の段階が用意されている。それはデイケアや作業所といった福祉施設へ通うということだ。私はどうしてもそういうところに通いたくはないのだが、デイケアには以前通っていたことがある。睡眠時間が安定せず休みがちで、何も結果が出せなかった。思い出すのも辛い。

三十代になると人間色々な焦りが出てくるものだが、私も普通とは違った焦りが出てきている。私は一生社会へは出れず、このままなんの楽しみも知らず朽ちてゆくのだろうか。これでは何のために生まれてきたのか分からない。切実な状況だ。

ただ私にはどんな不幸があっても唯一守るべきラインがある。それは『腐らずに生きて行こう』ということ。悪をなさず、求めるところは少なく。どこかで聞いたことのあるセリフではあるが・・・。

私が最近よく口にする口癖がある。

「つまらない・・・」

これの真意は一つの到達点に達した者にしか分かるまい。

追記・全然誕生日を喜べてないね。(笑)