私が断薬をして得た貴重な経験の一つが発酵食品の効能である。
断薬中に自律神経のバランスが崩れ、私は交感神経の暴走を体験した。なんとか副交感神経を働かせるべくあれこれ試行錯誤した結果、以外にも甘酒が抜群の効果を発揮した。今では納豆や味噌などの発酵食品にまで対象は拡大。健康と自律神経の為に毎日欠かさず摂る様にしている。
自律神経というのは交感神経と副交感神経が相互にバランスをとりながら働く。交感神経は体を戦闘体制にし、日々の仕事や古くは狩りをする時などに体を調整する。副交感神経は真逆で、体を回復モードにする。この回復モードが如何に大切かという事を考えていくと、社会生活上の様々な問題点が見えてくる。
ではなぜ副交感神経を働かせるのに発酵食品が有効なのだろうか。ここからは私の推測だが、ズバリ『腐ってる!』って事が重要なのではないか。甘酒・味噌・納豆はズバリ腐っている食べ物だ。腐ってるモノを食べると、体は『ヤバイ!回復モードにして被害を最小限に!』と号令をかける。その結果副交感神経が働き始めるのだと私は考えている。なので栄養学的な事は全く関係ないのだ。この理屈でいくとヨーグルトの健康効果も説明できる。
甘酒・味噌・納豆などの日本古来からある食べ物は、然るべき理由があって食べ続けられているのだろう。自律神経への効能を昔の人達も体感していたから今日まで残っているとも言える。特に味噌と納豆は日本の食卓には欠かせない。昔ながらの習慣や風習や文化には、ちゃんと意味がある。私は自分の経験からその事を学んだ。
最後に一つ。人は、もっと副交感神経の事を考えて暮らさないと駄目になる。現代人はコーヒーをよく飲む習慣が一般化しているが、あれはあまり良くない。コーヒーは交感神経に働きかけ、人を戦闘体制にする。人々は過度な労働をこなす為にコーヒーを欲する。しかしそのライフスタイルには無理があるという事を、コーヒー依存が教えてくれている。
自律神経は社会に深く関わっている。奥が深い。