夕暮れ時の住宅街を歩いていると、それぞれの家が夕ご飯の支度をしている事が分かる。とても良い匂いがしてきて、なんとも言えない幸福感がある。私はどういう訳かピーマンの匂いを嗅ぐと安らぐんだ。昭和の雰囲気がなんとも堪らない。
でも、こういった食事の匂いがするのは休日のみに限定される。平日に住宅街を歩くとどういう匂いがするかと言えば、それは石鹸の匂いなんだ。石鹸・シャンプー・リンス、時には風呂掃除用洗剤の匂いだったりがする…
この事から、一般家庭では平日に自炊をしていないという事が分かるのだ。
平日の夕暮れ時にも、今日(休日の住宅街)みたいに夕食の匂いがする様になってくれる事を願っている。現代人は忙しすぎる。もっと穏やかな日常が皆の暮らしに訪れます様にと、そんな願いを私は密かに抱いているのだが…
それぞれの家に生活がある。みんな生きてる。それが分かるだけで、なんだか尊い感じがしてしまう。これは私だけなのだろうか……