私は大検(旧大学入学資格検定・現高等学校卒業程度認定試験)を取って放送大学に入学した訳だが、ひきこもり生活をしていた当時の私が試験を受けるのは、とてつもなく難易度の高い事だった。
試験会場まではタクシーで直行した。母も終日同行し、母はこの試験の為にわざわざ携帯電話を契約した。髪の毛ボウボウの場違いな身なりで受験。しかも試験は何日もかかる。親子でクタクタになった。
初めての受験では合格できず…
懲りずにリベンジした。同じ作戦を次の試験でも繰り返し、なんとかギリギリで合格した。試験会場の外で予備校の宣伝が行われていた事、その予備校が解答速報を配っていた事、その速報を見ても自分がどう解答したのか覚えてなくてチンプンカンプンだった事、全て鮮明に覚えている。
付き添ってくれた母だけが唯一の支えだった。本当に苦労をかけた。とても感謝している。ありがとう。
試験を受けるにあたり、当時の私に社会的なサポートは何もなく、なんの配慮もなかった。まだそういう時代ではなく、それが当たり前という時代。全ては自己責任の元での受験となった。だから本当に苦労した。(なので私は今でも自己責任という考え方が大嫌いだ。)
私が言うのもなんだが、今では大検と言うととてもカッコ悪いイメージがある。だからそれをポジティブにとらえる為に、これからはあえて英語名でこの試験を呼びたいと思う。
『University Entrance Qualification Examination』
これは国家試験だ。私はそれに合格したのだ。恥じる事はないんだ!