アプリ内課金の存在がエコシステムをぶち壊している

アプリは星の数ほどあるのに、私が使いたいと思える様なアプリは意外と少ない。このスマホ業界、盛況な様に見えて実はかなり偏っている。儲かってるのはゲームアプリだけで、実用性のあるアプリは頑張ってリリースしても元すら取れない。アプリ内課金の存在がエコシステムをぶち壊している様に感じる…

初期のスマートフォン(iPhone)には、今の様なアプリ内課金は存在せず、広告も無かった。スティーブ・ジョブズがそれを嫌ったからだ。スティーブは多くの開発者を取り込み、健全なエコシステムを構築しようと努めていたが、Androidの登場で全てが狂ってしまった。

開発者は金になるプラットフォームに流れる。Androidというライバルが出現した所為で、アップルはアプリ内課金や広告を解禁せざるを得なくなってしまった。アプリ内課金はパンドラの箱だったし、誰もがそれを分かっていたのに、流れに逆らえなかった。とても残念だ。

こういう経緯が今のゲームアプリの一人勝ちという状況を生んだ。人々はゲーム内の『石』には課金するが、それ以外の実用的なアプリにはお金を払おうとしなくなった。でもそれはスマホユーザーの所為ではなく、IT業界が自ら招いた事なんだ。テクノロジーの可能性を、テック業界が自ら潰してしまった。

この事の最大の犠牲者は子供達だ。彼らは自分が何にお金を払っているのか分かってない。誰か子供達に『ゲームサーバーのデータベースに格納されるたった数バイトのデータを買っているんだよ』『馬鹿馬鹿しいからやめようね』と教えてあげて欲しい。

先日のイベントでアップルが教育市場にアプローチしてきたのは、もしかしたらこの事に対する罪滅ぼしの意味もあるのではないかと、私は密かに考えているんだけどね……

頑張れ、アップル!!