健全なメンタルの為に出来る事(まとめ)

はじめに

私は病気回復の過程で、自分で出来る事をいろいろ試し、そこから実体験に基づくかなりの知識を得た。ネット上で出回っている眉唾な方法もかなり試したのだが、このページではその中から実際に効果があったものや、私が信頼できると思った確かな考え方について記しておこうと思う。とは言いつつも、ここに書いてある事はその殆どが私の独自解釈なので、私の残したこの情報もまた、ネット上の眉唾な情報の一つとして流通していくことになるだろう。メンタルの病気から回復したいのなら、とにかく色々やってみるしかない。そうして最終的には自分の頭で考えて判断したり納得したりといった事を積み重ねていく。そういった意味で、このページは私の思考の記録でもある。このページが誰かの役に立てばよいのだが…

生活環境について

睡眠を治すには部屋の片付け

部屋には余計な物を置かないほうがいい。それは昼夜逆転生活を始めとする睡眠習慣の異常が、大抵の場合は自分の部屋の散らかり具合に起因しているからだ。部屋が片付いていれば自然に寝れるようになり、逆に散らかっていれば自然に寝れなくなる。ごく単純な法則だ。なので部屋は片付ける。片付け続ける。来る日も来る日も部屋を片付け続けるということが大事だ。

所有物は責任が持てる範囲に

なぜ部屋が散らかるかというと、それは物がありすぎるからだ。人間は、タンスやクローゼットなどの収納力が許す限り、永遠に物を買い続け、溜め込み続ける。それが頭の処理能力を圧迫し、メンタルの不調につながる訳だ。これは部屋の中の物を一つ一つ写真に撮っていけば分かる。その作業が永遠に終わらないことを知る事になるからだ。部屋の中や家の中には普通の人でも数万個から数十万個に及ぶ大量の物品が溜め込まれている。それが良くない。そもそも『物を持つ』ということは禅の考え方で言えば『護持』という事なのだ。それは縁あって自分の所に来た物は責任を持って自分が護るという考え方であり、そう考えてみると、万を超える物品を護り続けていく事なんて、どんな人にも根本的に無理な事なんだと分かる。『無理が通れば道理引っ込む』という言葉の如く、無理に物を溜め込み続ければ、メンタルに不調を来すのもまた道理だということになる。

大型家具は常に悩みの種となる

部屋にあまり家具を置かないほうがいい。特に自分ひとりでは動かせないような大型家具は、無意識のうちに圧迫感やストレスをもたらす。なので本棚やテーブルなどは質素なものにし、収納も自分一人で持って動かせる収納ボックスなどをいくつもスタックしておくのが良い。これはどこから来た制約なのかと言えば、それは遺伝的な本能によるものなのだろうと思う。人間は農耕が始まるまで同じ所に定住するということがなく、住処を移動することを前提にした暮らしを数万年単位で続けてきた訳だ。その習性が現代の私達にも色濃く残っているらしい。つまり持ち運べないものは住処の移動に邪魔なものであり常に悩みの種となるので、大型家具がある暮らしというのは、無意識の内に私達のメンタルを悩ませ続けている。

テクノロジーを味方につけろ

部屋にコンピューターがないのなら買った方が良いし、ゲーム機がないならそれも買ったほうが良い。部屋の物を減らす一方で、テクノロジーに関連する製品は積極的に揃えることを推奨したい。もちろんそれは娯楽としてではなく、知的な活動を増やすことを目的とする。学校をとうの昔に卒業してしまった人にとっては、日々の生活の中で知的な活動をする手段はかなり限られているのが現状だ。仕事の為の資格の勉強以外では、せいぜい書籍を読むくらいだろう。自ら進んで学んだり、作品を作ったりするには、コンピュータの助けがあるととても効率が良いし、自分のインプットとアウトプットを高めて『知的な活動』を増やしていく事は、豊かなメンタルを維持していく為にとても重要だと思う。

マスメディアから距離を置こう

健全なメンタルを維持するのに重要な事の一つに『マスコミの情報から離れる』という事がある。これはテレビ・新聞・ラジオ・雑誌・それらの関連ウェブサイト、などと距離を置くという事を意味する。別に見るのを止めてしまうという事ではないのだが『マスコミからもたらされる情報を重要視しない』『振り回されない』といった態度をしっかりと持つという事が、実は健全なメンタルの維持にとても重要なのだ。抽象的な表現で申し訳ないのだが、社会の中で人の為になる仕事についている人たち(消防士や救急救命士、弁護士や行政書士など)は、多かれ少なかれこういう態度を持っている。そしてそういう人達のメンタルはかなりしっかりしているのだ。良い事ならば是非とも見習いたい。

食養について

マヌケな糖質制限

糖質制限というものがにわかに注目されてきたが、その結果として米や小麦が悪者にされてしまったのはとても残念なことだ。人類というのは常に飢餓と闘ってきた歴史がある訳で『少ない食料で如何に栄養価の高い食事を実現するか』というのは、これまで人類にとっての至上命題だった。その結果たどり着いたのが米や小麦といった穀物で、栄養価の高い穀物を更に高めるため、ずっと品種改良を繰り返してきた歴史が我々にはある。食事というのはごはんと味噌汁(もしくはパンとスープ)、それに少しの味付けがおかずにあれば良い訳で、そういう質素な食事でも十分な栄養を摂取できるように米や小麦がある。つまり本来、栄養状態を改善できる糖質は我らのヒーローであった訳だし、糖質というのは根本的に太る為にある食品なのだ。現代人はそれを無制限に食べ続け、その結果として肥満になっているのだから、見直すべきは自分の食習慣そのものであり、糖質を悪者にするのは間違っている。この事から食に関する問題というのは、単純に『私達が食べ過ぎているだけ』という話に他ならない様に思う。

コーヒーと交感神経

コーヒーは嗜好品としてとても優秀で、生活を豊かにしてくれると思う。モーニングコーヒーなどは最高の習慣で、適度に飲む分には全く問題ない。コーヒーは頭を活性化させたい時に有効だが、コーヒーが実際にやっているのは『交感神経の活性化』だ。交感神経は身体を戦闘モードにするので、その結果として眠気がなくなったり仕事が捗ったりしている。一つ注意したいのは、交感神経が十分活性化している時に、コーヒーでそれ以上の活性化を求めないこと。交感神経が過度に活性化しすぎてしまうと、こんどは副交感神経にうまく切り替わらなくなるという問題が発生する。交感神経と副交感神経はセットで、双方が交互にうまく切り替わることで私達の身体は機能を維持できる訳だ。人為的な方法でその機能を妨害すると色々と訳の分からない症状が出るようになるので注意してほしい。特に注意したいのは最近巷に出回っている『エナジードリンク』で、異常な程のカフェインが入っていて危険だ。

日常的にチョコレートを!

チョコレートには集中力を高める作用がある。長文を書く時や長時間の仕事を続けなければならない時にチョコレートを食べておくと仕事が捗るし、将棋のプロ棋士の人もその効果を求めて対局中によく食べていると聞いた事がある。集中力を高める他にも、緊張の緩和・リラックス効果・和む、などの特別な力がチョコレートにはある。よく考えてみると、戦後の進駐軍の兵士がチョコレートを持っていた事(子供達がギブミーチョコレートと言うと兵士がくれた事は有名)にも合点がいく。アメリカ兵だって人間だ。彼らはストレスフルな環境を耐え抜く為にチョコレートを持っていたのだと分かる。あと、チョコはメンタルの病気の人にも有効で、認知機能が低下している人とか、何かと緊張気味な人におすすめしたい。

料理にココナッツオイルを!

ココナッツオイルはメンタルの病気の人やダイエット中の人ににわかに注目されている。ココナッツオイルは体内で燃焼されやすく、脂肪になりにくいばかりか、既にある脂肪を燃焼させやすくする効果もある様だ。特に中鎖脂肪酸がダイエットに効果があるという事はかなり広く知られてきた。これがなぜメンタルの病気にまで効果を発揮するのかは、かなり説明が複雑だ。語弊を恐れずに説明を単純化してしまえばこういう事になる。メンタルの病気の人には脳に栄養が必要で、脳に栄養を送るには代謝を上げることが重要、そして代謝を上げるには脂肪を燃焼しやすい体質にすることが必要で、それには余分な脂肪を筋肉に置き換える必要がある。もちろん筋肉をつけるには運動が必要で、運動するには脂肪を効率的に燃焼できる必要がある。脂肪が燃焼できれば筋力が付き、代謝が上がり、脳に栄養が届くようになる。まどろっこしい説明になってしまって申し訳ないが、どうやらココナッツオイルはこのサイクルを回す為に有効らしいのだ。即効性もある。でも、まだまだよく分からない。この話の他に『サラダ油有害説』まで加わってしまうと、もっともっと分からなくなる。

ハーブティーの効能

ハーブティーにはリラックス効果があり、副交感神経を上手く働かせてくれる。なかでもミントティーのリラックス効果はかなり強い。翌日に緊張するイベントを控えていて、興奮して落ち着かない時などには有効だ。逆に既にリラックスしている時にミントティーを飲んでしまうとかなり気分が落ち込む。ハーブティーにはその他にも色々ある。カモミールティーは胃腸の調子を整えるのに向いている。ストレス性の胃腸の不具合には特別な効果がある。ローズヒップやジャスミンなど程よいリラックス効果を得られるモノもあるし、ハーブティーには無視できない様々な効能があるので、今の世の中にはハーブの効能に精通したプロみたいな人がたくさん必要だと思う。

身体について

メンタルの病気由来の肥満には加圧下着

体を締め付ける加圧下着というのがあるのだが、普通の人には効果がなくても、肥満体型の人にはとてつもない効果がある。メンタルの病気の人はその多くが太っているが、それは不摂生な生活を送った所為ではなくて、服薬している薬の為である。その最たる原因は過剰投与であり、医師が患者の精神症状を抑える事を優先し過ぎた結果、副交感神経ばかりが優位となってしまい、患者は強い鎮静作用の中で毎日を過ごす事になる。しかし人間の身体にはある程度の適度な緊張状態が必要なのは言うまでもないだろう。過度な鎮静状態で暮らしていると人間の体というのは段々と密度のないぶよぶよなモノへと変わっていってしまう。加圧下着というのはこの状態の人にとても効果があるのだ。体重はあまり変わらなくても、その適度な圧迫と刺激で身体の密度は高くなっていく。その結果、痩せていくという訳だ。

ちゃんとした服を着ないと痩せない

人間には『自己身体イメージ』というのがあり、この頭の中の認知機能を正しくしないといくらダイエットをしても痩せない。よく『痩せた自分をイメージしろ』と言われる事があるが、これは概ね間違ってはいない。そして、自己身体イメージというのは、自分の着ている服に大きく左右されているらしい。なので安物のヘンテコな服を着続けていると自己身体イメージがどんどん歪んでいき、結果的に肥満体質になっていく。機能的で、ちゃんとサイズの合っているモノを選ぶだけで良いのだが、その簡単な事が意外と難しい様だ。

運動する時は運動用の服を着よう!

ウォーキングやランニングでダイエットに励む人も多いと思うが、ランニングウェアやシューズにお金を使う事をためらう人も多い。スポーツ用品を買い揃える人は、よく『格好から入る人』と言われてしまいがちだが、実際は運動する時に運動用の服を着るのはごく当たり前の事である。アスリートが私服でスポーツをする事はないし、我々だって学校の体育の授業を私服で受けさせられたなんて人はいないだろうと思う。運動用の服は体の負担を大幅に軽減してくれるし、本来の身体能力がちゃんと発揮できる様になる。そして何より『自己身体イメージ』を形成する上で最上の効果を発揮してくれる。身体のイメージを正しく持てればダイエットも上手くいくだろう。運動は得意不得意に関係なく、ちゃんとした事をちゃんとやれば誰でも出来る事なんだと理解できる様になる。

その他の事柄

なぜ花粉症になるのか

花粉症がなぜ起こるのかは未だによく分かっていない様だ。一般的には大気汚染物質と花粉が空気中で結合したものが、人体でのアレルギー反応を引き起こしていると言われている。以前この事を問題視した東京都知事が、森林の杉の木の多くを他の木に植え替え、都内を走るディーゼルエンジン車に規制をかけてくれた事(ディーゼル規制)があった。私はその事に対して密かに感謝していたのだが、それでも花粉症患者は毎年多く生まれ続けている。この事から、もしかしたら花粉は発症のトリガーとなっているだけで、実際の病理はどこか別の所にあるのかもしれないと、最近強く思うようになった。一昨年におこなった精神科の薬の断薬時(交感神経が暴走して様々な症状が出た時)は花粉症の症状が全く出なかったので、今は自律神経(緊張とリラックス)と花粉症の因果関係を強く感じている。

タバコの有効性

『タバコは百害あって一利なし』と言われているが、それは間違いである。タバコは、緊張とリラックスの双方へ働きかける成分が入っているとても珍しい存在なのだ。喫煙という行為は交感神経が活性化している時には副交感神経へ、副交感神経が活性化している時には交感神経へ適宜切り替える事を可能にし、緊張状態を強いられる職業の人がリラックス効果を求めて喫煙するのと同じく、リラックス状態から一気に活動状態へ移行しなければならない職業の人もまた多くが喫煙者である。昭和の時代の刑事ドラマで、張り込みをしている刑事さんが缶コーヒーとタバコを持っていたのを覚えている人もいるのではないだろうか。あれは格好を付けていた訳ではなくて、当時の刑事さんたちにとってコーヒーとタバコにこの様な合理的な意味があったのだと理解してほしい。

おわりに

このページに書いてあることの多くは、交感神経と副交感神経の切り替え機能を強く意識している。自律神経を意識するという事はストレスマネジメントをする上で一番の近道だからだ。自分の中で戦闘モードとリラックスモードが常にシーソーのようにバランスを取り、その都度適宜切り替わっているのだという事を知っていると色々と役に立つ筈だ。

もう一つ重要なのは人間の生命としての歴史を加味して生きることの重要性だ。現代の様な豊かな生活は決して当たり前のことじゃない。それまで何万年・何十万年もの間、私達の先祖がしてきた暮らしが今も私達の身体に多くの影響を及ぼしているという事と、これを無視することなど出来ないという事を、しっかり意識しないといけない。